片桐寛文建築研究所2

１階に大空間LDKを配置する要望にこたえるべく、安全性を担保するため、試行錯誤しました。大空間は本来、柱や壁が少なく、構造上不安定になりがちですが、僕はキッチンを対面とすることで、デザイン上無理することなく柱、壁を部屋の中で露出させたり、キッチン脇に収納スペースを設け、使い勝手上、不自然とならずに体力壁を増やしたりしました。これで、ただ単に広いLDKではなく、２階をしっかり支える、安全な構造大空間としたのです。そうして安全になった１階の上に個室を３つのせ、あまった空間を広いバルコニーとする２階を構成しました。それぞれ諸条件をすり合わせていった結果、全体として特別な場所をいくつもちりばめた、面白い住宅になったのではないかと思います。